親知らずの生え方別・抜歯方法Wisdom Tooth

親知らずの生え方は
どのタイプ?
タイプ別抜歯の難易度

「親知らずを抜歯する」と決まると、とても緊張しますよね。
頬が大きく腫れ、痛みで学校や仕事に行けなくなることもあります。
親知らずをどのような方法で抜歯をするか知っておくことで、スケジュールを調整して、抜歯当日も落ち着いた気持ちで迎えられます。

今回は親知らずの抜歯方法について解説します。

親知らずの生え方は3タイプ

皆さんの親知らずは、どのように生えていますか?
実は、親知らずがきちんと4本生え揃っている人の割合は3割程度です。
主な原因は、食生活や環境の変化により顎が小さくなったことにあります。
親知らずが生えるスペースが足りなくなった結果、斜めに生えている、先天的に4本すべて存在しない人もいます。
歯科医院でレントゲンを撮ってもらい「親知らずが何本あるか」「どのような生え方をしているか」「他の歯に悪影響を及ぼしていないか」を確認してもらいましょう。まず抜歯の必要性を診断することが大切です。

①まっすぐに生えているタイプ

他の奥歯と同じように、垂直に綺麗に生えているタイプです。
きちんと歯磨きをしていれば問題ありませんが、一番奥まで歯ブラシで磨くことが難しく、親知らずの隣の歯も歯周病や虫歯になっていることが多くあります。

②半埋伏~斜めに生えているタイプ~

日本人に1番多い親知らずです。歯ぐきから半分は頭が出ていて、半分は埋まった状態です。
特徴は次のとおりです。トラブルが発生しやすいため、要注意です。

  • 下顎の親知らずに多い
  • 歯磨きがしづらく、虫歯になるリスクが高い
  • 隣の歯を圧迫して動かしてしまい歯並びがずれていく
  • 虫歯になっても口が開かず治療がしづらい
  • 周辺に炎症が起きる

③完全埋伏
~歯ぐきの中に埋まっているタイプ~

横向きでも斜めでもなく、全く見えずに歯ぐきの骨の中に埋まっているタイプです。
一般的に自覚症状が出ることほとんどありません。しかし嚢胞(のうほう)と呼ばれる膿の袋を作り、骨を圧迫することで違和感が出てくることがまれにあります。
親知らずが上下で正常にかみ合って生えている場合は、特に抜歯の必要はありません。
しかし親知らずが原因で痛みや不快症状がある、周りの歯に悪影響を及ぼしてしまう場合は歯を抜くメリットの方が大きいため抜歯を検討していきます。

実際どのように抜歯が行われるのかについて、難易度別に3つお伝えします。

抜かない親知らずの活用方法親知らず抜く?抜かない?

難易度別 親知らず抜歯方法

一般的に難易度が高いほど、術後の痛みや腫れが出やすく患者さまの負担が大きい傾向にあります。

難易度【低】まっすぐ生えているタイプ

1. 歯にへーベルというマイナスドライバーのような器具を引っ掛ける
2. テコの原理を利用して親知らずを骨から外していく
「メリメリッ」という音に驚かれるかもしれませんが、麻酔が効いているので痛みは感じません。

難易度【中】半埋伏~斜めに生えているタイプ~

斜めに生えているので手前の歯がストッパーとなり上に引き抜くことができません。
1. 歯肉をメスで切除して、親知らずの頭を出す
2. 横向きに生えている場合は、器具を使って歯を分割して、取り除いていく
3. 縫合

難易度【高】完全埋伏~歯ぐきの中に埋まっているタイプ~

1. 歯肉をメスで開き、剥離子(はくりし)と呼ばれる器具で歯ぐきをしっかりと開いてく
2. 骨に埋まった親知らずが完全に見える状態になるまで覆っている骨を削り取る
3. 歯の頭の部分だけバーで割って取り出す
4. 歯の根の部分をテコの原理を使って抜歯する
5. 縫合

その他、難易度を高くする要因として以下が挙げられます。

歯根が肥大・湾曲している

歯根の先端部分が先細りの形態ではなく肥大している、また湾曲(曲がっている)していると骨に引っ掛かり抜けにくいです。

虫歯が進行している

親知らずの虫歯が進行してボロボロの状態の場合、器具で掴むことができないため、骨を削って親知らずを取り出す必要があります。

骨が多く被っている

親知らずが埋まっている周りの骨が多い場合は、骨を削る量が多くなります。

下顎の血管、神経の位置

下の親知らずの場合、顎の血管や神経の位置によってそれらを傷つけないようCT撮影をするなど慎重な配慮が必要です。

口の開きやすさ

一番奥にある親知らずを処置するには、口を大きく開く必要があります。開き具合には個人差があり、口が大きく開かない場合、器具が入っていかず処置が難しくなります。

親知らず周辺の炎症度合い

歯ぐきに炎症が強い場合、麻酔が効きにくいことが多く追加の麻酔などで処置が長引くことがあります。

抜歯当日の流れと抜歯後の注意事項

いよいよ抜歯当日です。体調が優れなかったり麻酔後に貧血のような血の気の引けるような症状がでたり、少しでも違和感があったら歯科医師に伝えましょう。

抜歯にかかる時間は30分~1時間です。

1. 麻酔

まずは局所麻酔をかけます。抜歯の難易度によって種類を使い分けます。

局所麻酔の種類

●表面麻酔 ゼリー状の麻酔薬を歯ぐきに塗布し表面の感覚を麻痺させ、麻酔針の痛みを軽減させます。

●浸潤麻酔 通常の2倍量の麻酔を親知らずの周りに注射します。はじめは痛みがないように頬側に麻酔を行い、ある程度麻酔が効いてきたところで、親知らずの周りに麻酔を行います。

●伝達麻酔 炎症が強い場合や麻酔が効きにくいと判断した場合に行います。親知らずなどの顎の神経節を麻酔液で満たすことで痛みをブロックできます。

2. 抜歯

難易度に応じた方法で抜歯します。

3. スポンゼル(コラーゲンのスポンジ)を抜歯して開いた穴に入れます。

スポンゼルは血餅(けっぺい)と呼ばれる血液の塊を作り、「かさぶた」と同じ働きをし、食べ物の混入を防ぐ役割もあります。

4. (歯肉を切開した場合)縫合し、傷口が治りやすい状態にします。

5. ガーゼを30分程度噛み圧迫止血を行います。

親知らず、抜歯後の処置

帰宅後の注意事項

●麻酔が切れてくると痛みが出てくることもあります。処方された痛み止めを服用するようにしてください。

●当日~翌日は血の味がしますが、強くうがいはしないでください。血のかさぶたが取れてしまい、治りが遅くなってしまいます。

●患部が熱を持っていて冷やしたい場合は、キンキンに冷たい保冷剤や氷を当てることはせず、濡れたタオル等で30分程度抑えるだけにしましょう。

●喫煙は控えてください。傷の治りを妨げます。

●アルコールや激しい運動、また長時間入浴や熱めの湯舟に入ることは避けてください。血行・血流が良くなると出血しやすくなります。短時間のシャワーは問題ありません。

●抜歯したところが1週間経っても激しく痛む場合、ドライソケットという状態になっている可能性があります。ドライソケットとは歯肉が出来ていない状態で、適切に処置をする必要がありますので、歯科医院までご連絡ください。

親知らず抜歯後に行ってはいけないこと親知らず抜歯とドライソケット

まとめ

抜歯はペンチで引き抜く!というイメージがあったかもしれません。
しかし実際は、生え方によって処置が異なる繊細な治療になります。また抜歯後の注意事項をしっかり守ることで、ダメージを最小限に抑えることに繋がり、予後が良好になります。
まずは自分の口の中で親知らずがどのような状況であるか診断を受け、適切な時期に抜歯することが大切です。

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※親知らずキャンセルポリシー

親知らずの抜歯は、60分と非常に長い時間を予約でおとりします。基本的に60分以上の時間がかかることはありませんが、あらかじめ何が起こっても良いように長めの予約時間にしております。当日のキャンセルや無断キャンセルは、なさらないよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。
キャンセルの場合は3日前までに電話連絡ください。スムーズな親知らず抜歯への皆様のご協力何卒よろしくお願いします。

一般的な親知らずの抜歯費用
生え方 抜歯費用
真っすぐ 初診料約3,200円 +
処置代約1,500円 +
薬代500円
約5,200円
斜め 初診料約3,200円 +
処置代約2,000円 +
薬代500円
約5,700円
真横 初診料約3,200円 +
処置代約4,500円 +
薬代500円
約8,200円
※親知らず抜歯のリスク・副作用等
  • ①当日に抜歯できない場合がありますので緊急の場合はお電話でご相談ください。
  • ②抜歯後に腫れる期間を考慮したスケジュールを立ててください。 抜いてから4日間は腫れ、通常の状態に戻るには約7日間〜10日間かかります。
  • ③抜歯後2〜3日間は唾液に血が混ざります。 会議や発表、イベントがある場合は予約をお控えください。
  • ④抜歯後ドライソケットなどで痛みが続く場合があります。 ドライソケットになった場合は治るのに10〜14日間かかります。 抜歯前に注意点を詳しくお伝えします。

親知らずの抜歯 治療例